クラスメートは印象派の巨匠たちでした

主人公はフリーターをしながら美術学校入学を目指している19歳の女の子。
仕事に追われる毎日で思うように受験勉強が出来ず、悩んでいた。
ある日気分転換に行ってみた『印象派・後期印象派美術』の展覧会で
一枚の絵を見た途端、目がまわり、主人公は卒倒してしまった……。

目を醒ますとそこは、異世界の美術学校だった。
クラスメートはみんな、近代の名の知られた画家たちばかり。
ゴッホ、ゴーギャン、ルノワール、モネ、マネ、ドガ……。
おかしな世界に迷い込んでしまった主人公は、学園生活を送りながら
元いた世界に戻る方法を探すことになる。

画家たちとの交流の中で、自分の悩みにリンクするものを見つけていく主人公。
果たして無事に元の世界に帰ることができるのでしょうか?
【舞台】
主人公が迷い込んだのは【ソレイユ美術アカデミー】という、ヨーロッパ風の外観をした学園です。
生徒たちは年に三回催されている【サロン】という展覧会への出品を目指して制作をしています。

サロンでは伝統的な作風が好まれていますが近年は新たな表現を打ち出す学生たちも増えており、そういう新しい表現の作品はサロンでは落選されることが多くなっており疑問を抱いた生徒たちから反発が起こっています。
【印象派・筆触分割とは?】
印象派とは、19世紀後半のフランスで起こった芸術運動です。
モチーフを理想化する伝統的な様式から離れ、ありのままの姿を描写しようというのが印象派です。
そのために用いた技術の一つが【筆触分割】でした。
絵の具は混ぜ合わせていくことで濁ってしまうという性質があります。
明るい外の世界を描きたかった印象派の画家たちは、混色をせずに絵の具を置き並べました。
近くで見ると様々な色の点でしかありませんが、離れて見ることにより
鑑賞者の目の中で色が混ざり合い、明るい色になります。
その視覚の作用を利用して、光の表現をしていました。
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